地下鉄銀座駅から旧電通通りと交詢社通りの交わる交差点をコリドー街方面に右折して10メートルほどの所に、関東大震災後に建てた、銀座でも数少なくなったレトロなビルがある。その海洋ビルの入り口横にあるのが、創業昭和30年の老舗のバー「ちこて」である。
 「居酒屋 ちこて 家庭料理」と入った古びた看板を見ながら、中に入ると、5坪ほどのスペースに、9席のカウンターだけの小ぢんまりとした店内だが、天井が高く、異国情緒を感じる鉄のオブジェや調度品など、大正ロマン溢れるモダンなインテリに、すわり心地のいい椅子。何か懐かしさを感じると同時に居心地のいい空間になっている。
 オーナーの唯野静枝さんは、昭和21年のこの店の裏手の路地で女の子を使ったバーを始めた。その後昭和30年に通りに面したこの店を作ってバーテンダーをおいて営業を始めた。「ちこて」はスペイン語で「小太りの女」。特に意味があったわけではなく、静枝さんが音の響きが気に入って、付けたのだそうだ。
 現在バーテンを勤めているのは、大平ふみ子さん。福島出身で10年ほど銀座の寿司「山中」で働いていたが、静枝さんに見込まれて2年前からこの店を手伝っている。いつも大きな声で笑っている元気のいい、明るく、暖かい女性だ。
 料金は1ショットにおつまみが2品付いて3,500円のセット料金。ボトルは「スーパーニッカロイヤル」などのウイスキーが9,000円から。「珍しいところでは限定販売の「シングルカスク余市1988年」、また「ワイルド・ターキー」などのバーボンウイスキーも数種類置いてある。日本酒は青森の「田酒」、長野の「七笑」など一合1,000円から、また焼酎は「百年の孤独」や「森伊蔵」など珍しいものが味わえる。
 おつまみは、無農薬の食材を使った家庭的な健康メニュー。「煮物」「めざし」「コロッケ」、葉山でとれたしらすを使った「ピザ」や黒米を使った「おにぎり」。その他、玄米もちやワンタンスープも人気。セットではこの中から2品選ぶが、追加の場合は1品1,000円だ。
 待ち合わせ場所としても多く使われるが、銀座のバーやクラブで飲んできて、最後に落ち着いて飲みたいと言って入ってくる客も多い。 一見入りづらいけど、一歩入ると心が和む銀座の老舗のバーだ。 
 



[店名]ちこて
[カテゴリー]バー
[電話番号]03-3572-0888
[住所]中央区銀座6-4-11 海洋ビル1F
[営業時間]月〜金18:00-AM1:00
[定休日]土・日・祝
[予算]3,500円〜
[席数] (カウンター)9席
[フロアレディ]なし
[カラオケ・生バンド]なし
[予約]可能 [カード]可能
[開業年]1955年

 

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