2001年の12月にオープンした「The Bar草間GINZA」は7丁目の西5番通りのアスタープラザビルの地下1階。エレベーターで降りて右手に折れた一番奥にある。
 「草間」というロゴの付いた黒塗りのドアを開けると、それまでの街の喧騒がうそのように静かで、落ち着いた空気が流れ、街場のバーとは少し趣が違うスッキリとした空間が広がる。6mはある黒のカウンターに一つ一つスポットが当たっている。壁には必要最低限置かれた洋酒が綺麗にレイアウトされ整然と並べられている。
 オーナーの草間常明氏は、赤坂の「レストラン・シド」で3年勤めたあと、帝国ホテルに移ってそこで29年勤め後独立した。
 「日本人が安らぐ和の要素を取り入れました。壁を漆喰にし、家具を和風のものにしました。帝国ホテルを設計したフランク・ロイド・ライト氏は、西洋建築に日本の和を取り入れた。私も長年働いていてその影響を受けてきた」と語る清潔な白いジャケットを着こんだ草間氏のこだわりは、美味しいお酒を作り出す素材と技術にまで行き渡っている。白いジャケットは汚さないで綺麗な仕事をするプライドの現われとか。
 「スタンダードカクテルを主体の店として、使っている材料にこだわっていきたい。カクテル本来の素材を探して使うことを基本にしています。なければ、作らないというポリシーでやっていきたい」と語る草間氏のスタンダードカクテルにこだわる姿勢はかなりのものだ。
 お勧めは「ギムレット」。ジンはプリマスのものを、またライムジュースはフレッシュではなく、日本では手に入らない英国ローズ社のものを使っている。深みのある味がジンとマッチしより深みのある大人の味に仕上がっている。レイモンド・チャンドラー作「長いお別れ」のなかでの有名な言葉、「ギムレットには早すぎる」の一説でもわかるように奥行きのある味を人生経験になぞらえているほど「ギムレット」は奥の深い味なのだ。
 また「ジャックローズ」は「カルバドス」という「りんごのブランデー」にレモンジュースとグレナデンを加え、色と香りを楽しみながらスッキリした飲み心地を楽しむ。カクテルは1,500円から。
 ウイスキーのおすすめは「チェベック」、ゲ―ル語で「かわいいお嬢さん」の意味。バランスがよくて飲み口がスムーズ。ショットで1,100円。また、シングルモルトウイスキーもおすすめだ。
 「飲み方としては、ストレートやオンザロックで飲むお客様が多いが、最近の流行は水とウイスキーを一対一で割る「トゥワイス」を注文するお客様もいる。隠れている美味しさが表に出てきてウイスキー本来の味と香りが楽しめる」
 料理はお酒に合うものを基本にしている。「オイルサーディンのネギ焼き(1,300円)」「ホットサンド(1,500円)」「チーズ3種盛合わせ(1,000円)」などの他、札幌から取り寄せている珍しい「ドライコーン」がある。パルメザンチーズを巻いて出した秋田の燻りがっこ(たくわん)「パルミがっこ(500円)」も、スモーキーでモルトウイスキーに合うと好評だ。システムはサービス料10%、プラス消費税。 
 



[店名]The Bar 草間GINZA
[カテゴリー]オーセンティックバー
[電話番号]03-3571-1186
[住所]中央区銀座7-7-6 アスターブラザビルB1
[営業時間]月~金18:00-AM1:00 土18:00~24:00
[定休日]日・祝
[予算]5,000円以上~
[席数](カウンター)9席
[フロアレディ]なし
[カラオケ・生バンド]なし
[予約]不可 [カード]可能
[開業年]2001年12月

 


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