銀座1丁目を京橋方面へ進むと、ビルの連なる中に、突然昔ながらの一軒家に出くわす。下町の路地を思わせる何か懐かしい風景は、ここが銀座とは思われない錯覚に陥る趣きがある。引き戸を開けて中へ入る。正面には、2部屋の座敷があり、その奥に美しい檜のカウンター、2階にも2部屋の座敷がある。こざっぱりとした純和風の店内は、伝統と品格を備えた職人の粋を感じさせる。
 「関西料理栖鳳出店 金兵衛」は、先代の高井田金造氏が関西で修行をし大正13年に東京に出て来て、戦前銀座8丁目にあった名店「栖鳳」で板長を経て、昭和15年にここに店を構えた老舗の料理屋だ。現在の高井田敬一氏は二代目にあたる。先代の味を頑固までに守り続ける職人だ。
 料理は季節のものをアレンジした「季節料理のコース(20,000円から25,000円)」と冬場は「ふぐ料理のコース(25,000円から)」がある。内容は、お通し、前菜3品、お椀、刺身、焼き物、口変わり、煮物、食事、水菓子など12から13品。これを2時間以上かけてゆっくり味わう。特にこの店の名物「沢煮椀」は絶品だ。ごぼう、うど、たけのこ、しいたけ、みつばなどの野菜を豚の背脂を使った旨味を出汁に絡める。仕上げに胡椒をサッとふる。コクがあるのにサッパリとして飽きの来ない味だ。また前菜に出す「卯の花」は魚の中落ちを焼いてダシを取って、きくらげ、卵の黄身で仕上げる。サッパリとした酸味が利いていて癖になる味だ。焼き魚は、備長炭を使った炭火焼、築地の魚河岸で毎日旬のものを選りすぐった最高級のもの。それを板前の見事な包丁さばきで、次々と見事な金兵衛の料理に変えていく。コース料理のみの店だが、月に何度も足を運ぶ客もいる。その時々に献立を変えて、違う料理を盛り込む。また、客の調子を見て好みの味付けをするなど、細かい気配りも欠かせない。先代から学んだ料理、接待を頑固までに守り続ける数少なくなった銀座の名店だ。
 



[店名]関西料理 栖鳳出店 割烹 金兵衛
[カテゴリー]割烹
[電話番号]03-3561-2034
[住所]中央区銀座1-6-16
[営業時間]月〜金11:30-15:00 17:00-21:00
[定休日]土・日・祝
[予算]20,000円〜
[席数](カウンター)6席 (座敷席)30席
[宴会]20名様まで
[個室]あり
[予約]可能 [カード]可能
[開業年]昭和15年(1940年)12月8日

 

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